伯友会

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第14回OB講演会

第14回OB講演会を2021年6月25日(金)6時間目~7時間目に中学3年生を対象にザビエル講堂で行いました。(高校3年生の一部も途中参加しました。)昨年度は新型コロナの影響で実施できませんでしたので、約1年半ぶりのOB講演会となりました。

今回は緩和ケア医としてご活躍されている52期 関本 剛さんにお話しをしていただきました。

まずは六甲時代の写真と共に、ご自分の経歴をお話になられました。中1の時に丸坊主が廃止になり、阪神大震災の時に六甲を卒業されたそうです。そして現在のお仕事である「緩和ケア」とはどういったものかについて、実際のがん患者さんの写真や看取りの写真も使いながら、ご自身のご経験に基づいた具体的なお話をしていただいきました。
次に関本さんご自身が「がんになって余命宣告を受けた」こと、それ以降どう生きてきたかをお話しいただきました。判明したときは奥さんと2人で泣いたが、家族や仲間など多くの人が自分のことを案じてくれていると知り、いつ死ぬかわからないがそれまではしっかり生き抜こうと考えたこと、そして「やっておきたいことのリスト」を作成し、それをひとつづつ実行している、その中にはご自分の葬儀でのお別れの挨拶もあると話されました。そして、自分の生きた証を残そうということで書かれたご自身の著書「がんになった緩和ケア医が語る『残り2年』の生き方、考え方」もご紹介されました。
最後に「難関大学にいくこと」はそれに越したことはないが、それは何かになるための過程でありそれ自身が目標ではない。大学の先の目標を考える、今は目標がなくても、見つける努力をしてほしい。「目標に向かって情熱をもって進み続ければ、いい仲間・いい師匠に出会え、出会いが運命を変えてくれる。」と話されました。
中3の生徒からは、がんになってから患者さんへの気持ちは変わったか、がんになってからも仕事を続けるのはどうしてか、科学的な医学と宗教との関係についてどう思うかといった質問がありました。
今回は講演会終了後、中3全員がそれぞれ「振り返り」を書いて、後日それを関本さんのところへお届けすることになっています。
また、関本さんを取材しているNHKのカメラも入り、当日夕方のNHK神戸放送局の「リブラブ兵庫」でも放送されました。NHKが撮り続けている関本さんの記録については、秋頃にNHK Eテレで全国放送される予定とのことです。

(六甲学院中学校・高等学校 林 豊)