伯友会

六甲伯友会のオフィシャルサイトです。

1学期OB講演会(北 徹 氏:22期)

2013年度からはじまり今回で6回目となる伯友会OB講演会を6月24日(金)の6校時に高校1年生全員を対象にザビエル講堂で行いました。なお、この日はイギリスのEUからの離脱の是非を問う国民投票の開票速報のあった歴史的な日でした。

北 徹 氏(22期)

北 徹 氏(22期)

◎北 徹 氏(22期)による講演会

北氏は京都大学医学部から研修医を経て米国に留学。帰国後、京都大学医学部・大学院教授を歴任、京都大学理事・副学長を経て、名誉教授。神戸市立医療センター中央市民病院院長を経て、現在は神戸市医療監ならびに(一財)神戸医療・介護推進財団理事長等をされています。また平成24年には紫綬褒章を受章されました。

講演は「愚直に誠実に生きることを学んだ六甲から医学の道へ」との題で、講演の途中、何度も生徒に質問を投げかける形で行われました。

まずはご自分の略歴についての話をされました。僻地医療にたずさわれた父親の転勤により小学校で2回の転校をし、父親が海星病院に勤務することになったことにより静岡からこちらに引っ越すことになり、六甲の転入試験を受け、中3の4月に編入することになったそうです。六甲では武宮校長やドレイガー(武庫)先生に「時間厳守」、「筋を通し一貫した行動・考え」、「人が見ていなくても、やることはやる」、「相手の目を見て話をする」、「気持ちを声に出して、言葉できちんと表す・話す」といったことをたたきこまれました。度重なる転校や留学時の人間関係構築の経験および六甲で受けた教育が、医師としての生き方、すなわち医師としての激務をこなすのは当然ながら、患者さんなどの相手の気持ちになるといったコミュニケーション能力を身に着ける基本となったとのことでした。

進路を考えるにあたって、医学の分野は「大学人として教育研究の分野、臨床医としての分野」に大きく分けられますが、そのなかみは臨床医学、基礎医学、社会健康医学、行政の分野等にわかれていること、ダ・ビンチ手術(手術支援ロボット)やCT・MRI等の技術の分野もあるので、関連するのは医師だけでなく、薬学・法律・倫理・機械等の様々な知識を持った人たちが必要になってくるとの話をされました。

北氏はテキサス州立大学に留学し、コレステロールや再生医療の研究をされたそうです。その再生医療の分野の山中教授は、奈良先端科学技術大学院大学長山田康之先生(六甲8期)のもとでiPS細胞の作成に成功したそうです。

北海道の奥尻島には青苗遺跡があり、そこではオホーツクの文化と本州の文化の副葬品が一緒に発見され、日本の交流が昔から盛んであったことが示されました。

当初の予定では「少子化と高齢者医療」、「健康寿命について(ピンピンコロリ)」についても話をするべく準備をされておられたそうですが、時間切れで予定されていた半分程度しか話ができなかったとのことでした。しかし、医学の分野だけでなく考古学にもつながる幅広い話題で、盛りだくさんの話をしていただきました。