伯友会

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OB講演会

第7回六甲伯友会OB講演会

2013年度からはじまり今回で7回目となる伯友会OB講演会を11月11日(金)の6校時に講堂で行いました。ちょうどアメリカ大統領選挙でトランプ氏に決まった直後でした。

御立 尚資 氏(32期)による講演会

◎御立 尚資 氏(32期)による講演会

御立 尚資 氏(32期)による講演会

御立さんは世界的なコンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループの日本代表を務められた方で、今もその役員を続けておられ、他に経済同友会等の要職にも就いておられます。また、テレビではワールドビジネスサテライトのコメンテーターも務めておられました。

講演は「変化の時代」というタイトルで高1高2向けに準備していただいたのですが、急遽中1も参加するということになりました。コンサルタントという立場から、今後社会で貢献していく「この時代」を巨視的にどう捉えていくのか、という話をしていただきました。

「タテ(専門性)とヨコ(統合力)」、すなわち「タテ」の専門的知識を身に着けるだけでなく「タテ」と「タテ」の専門家の理屈を「ヨコ」でつなぐ力、いわゆる教養を身に着けることの重要性を話していただきました。

航空会社の旅客数のように、自然災害や事件、流行病の影響などが大きく予測が困難なものもあるが、ある程度予測できることもある。「世界の人口動向」は、農業生産の技術進歩、産業革命、識字率の変化及び工業化との関係など歴史的な社会の構造変化を読み取ることによりある程度は予測可能である。所得が増えると出生率の低下が見られるので、地球人口は100億人程度で落ち着くのではないかということです。
直近の話題では、「アメリカ大統領選挙でのトランプ人気となった背景」は、中国・インドの工業化によりアメリカの労働者が豊かになれないことにあるとのことです。
2013年のコンクラーベの写真で誰もがスマホで写真を撮っているのを例に、デジタル化の進歩について話していただきました。既に2007年頃に過去蓄積されてきたアナログのデータ量をデジタルのデータ量が越えた、今後ますますそれが発展することが予想されており、グーテンベルグの印刷革命よりもすごいことになっているとのことです。

生徒から出された質問で、「地球温暖化の問題」については、2℃の上昇であれば自然災害はそんなにひどくならないが、4℃を超える上昇となればコントロール不能になるので、クリーンエネルギーの開発が必要といった回答。「高校生の間にしておいた方がいいこと」については、自分自身が文系を選んだことにより、今改めて理科の分野を勉強していることを例に、できるだけ幅広い分野の知識を今のうちに身につけておくことと回答。「今後どんな分野が伸びるか」については、デジタル革命が進むとデータサイエンスの分野の仕事が増えるといった回答でした。
話のところどころに具体的な事例をあげておられ、コンサルタントとしての知識の引き出しの多さを感じさせていただきました。

六甲学院中学校・高等学校  林 豊

1学期OB講演会(北 徹 氏:22期)

2013年度からはじまり今回で6回目となる伯友会OB講演会を6月24日(金)の6校時に高校1年生全員を対象にザビエル講堂で行いました。なお、この日はイギリスのEUからの離脱の是非を問う国民投票の開票速報のあった歴史的な日でした。

北 徹 氏(22期)

北 徹 氏(22期)

◎北 徹 氏(22期)による講演会

北氏は京都大学医学部から研修医を経て米国に留学。帰国後、京都大学医学部・大学院教授を歴任、京都大学理事・副学長を経て、名誉教授。神戸市立医療センター中央市民病院院長を経て、現在は神戸市医療監ならびに(一財)神戸医療・介護推進財団理事長等をされています。また平成24年には紫綬褒章を受章されました。

講演は「愚直に誠実に生きることを学んだ六甲から医学の道へ」との題で、講演の途中、何度も生徒に質問を投げかける形で行われました。

まずはご自分の略歴についての話をされました。僻地医療にたずさわれた父親の転勤により小学校で2回の転校をし、父親が海星病院に勤務することになったことにより静岡からこちらに引っ越すことになり、六甲の転入試験を受け、中3の4月に編入することになったそうです。六甲では武宮校長やドレイガー(武庫)先生に「時間厳守」、「筋を通し一貫した行動・考え」、「人が見ていなくても、やることはやる」、「相手の目を見て話をする」、「気持ちを声に出して、言葉できちんと表す・話す」といったことをたたきこまれました。度重なる転校や留学時の人間関係構築の経験および六甲で受けた教育が、医師としての生き方、すなわち医師としての激務をこなすのは当然ながら、患者さんなどの相手の気持ちになるといったコミュニケーション能力を身に着ける基本となったとのことでした。

進路を考えるにあたって、医学の分野は「大学人として教育研究の分野、臨床医としての分野」に大きく分けられますが、そのなかみは臨床医学、基礎医学、社会健康医学、行政の分野等にわかれていること、ダ・ビンチ手術(手術支援ロボット)やCT・MRI等の技術の分野もあるので、関連するのは医師だけでなく、薬学・法律・倫理・機械等の様々な知識を持った人たちが必要になってくるとの話をされました。

北氏はテキサス州立大学に留学し、コレステロールや再生医療の研究をされたそうです。その再生医療の分野の山中教授は、奈良先端科学技術大学院大学長山田康之先生(六甲8期)のもとでiPS細胞の作成に成功したそうです。

北海道の奥尻島には青苗遺跡があり、そこではオホーツクの文化と本州の文化の副葬品が一緒に発見され、日本の交流が昔から盛んであったことが示されました。

当初の予定では「少子化と高齢者医療」、「健康寿命について(ピンピンコロリ)」についても話をするべく準備をされておられたそうですが、時間切れで予定されていた半分程度しか話ができなかったとのことでした。しかし、医学の分野だけでなく考古学にもつながる幅広い話題で、盛りだくさんの話をしていただきました。

2学期OB講演会【三木伸介氏(33期)】

2013年度から社会で活躍されておられるOBの方々に講演をお願いしています。今回で第5回目となる2学期の講演会を11月27日(金)の6校時、高校2年生全員を対象にザビエル講堂で行いました。

◎三木 伸介 氏(33期)による講演会

三木伸介氏(33期)

三木伸介氏(33期)

三木氏は防衛大学校から海上自衛隊に進み、潜水艦乗組幹部の資格を取得、防衛庁長官(現在の防衛大臣)の副官、潜水艦「せとしお」の艦長、ニューポートの米海軍大学にて勉強したのち、海上幕僚監部、潜水艦司令部幕僚長等を経て、大湊地方総監、呉地方総監までつとめられました。現在は川崎重工業のストラテジック・アドバイザーとしてご活躍されております。

講演の題は「しつけ教育と奉仕の精神を学んだ六甲から潜水艦乗りに」でしたが、途中からは「潜水艦よもやま話」と題したパワーポイントを使って話をしていただきました。自衛隊幹部として部下を統率していく際に、六甲での経験が大いに生かされたそうです。また、湾岸戦争・911テロ・東日本大震災と、ここ20年余りの間で自衛隊の出動機会が増えたことにより、正しく評価されるようになってきたとの話です。

次に日本の安全保障についての話がありました。日本の存続のためにはシーレーンの確保が重要、そして平和であることが必要で、そのために潜水艦が隠密行動でシーレーンを守っているとのことです。また、パワーポイントを使っての話の中では、潜水艦の仕組みや能力、近隣各国の潜水艦配備の状況、空母と比べた時のコスト、潜水艦の隠れ方と他国の潜水艦を探し出す方法などとともに、魚雷の威力を示す動画による説明もありました。

三木伸介氏(33期)

最後に「中国から日本を見た地図」をベースに海上防衛について話をしていただきました。

(林 豊)

OB講演会

濱名 篤 氏(32期)による講演会

32期 濱名 篤 氏

2013年度から社会の現場で活躍されておられるOBの方々に講演をお願いしております。今年度は1学期の講演会を6月26日(金)の6校時、高校1年生全員を対象に講堂で行いました。

◎濱名 篤 氏(32期)による講演会

「六甲で培ったリーダーシップと『高大接続という課題』」についての講演会を行いました。濱名様は学校法人濱名学院理事長・関西国際大学学長としてご活躍中ですが、文部科学省中央教育審議会の臨時委員や、独立行政法人大学入試センター運営審議会副議長等もつとめられております。

前段では、六甲学院での強い信念をもった先生や個性の強い友人との出会い、大学選びにあたり考えたこと、上智大学進学後の経験及びその後の進路を考える際のできごと、大学教員、学長、理事長としての大学づくりから運営にあたるまで等のお話がされました。六甲学院では、他で見られない力のある先生や生徒が多く、自らも「何か他より優れるもの」を見つけることの大切さについての話もされました。

本題の「高大接続という課題」については、今後行われる大学入試制度の変更が、戦後・明治以来の大改革となる可能性があること、これからの時代は「知識・技能」だけでなく「考える力」をつけ、それを「表現する力」がこれまで以上に求められていること等が話されました。

終了後の質問に答える際には、今後の大学の3種類の方向性(世界最高水準の教育研究、特定の分野での世界的な教育研究、地域活性化の中核)についても話がなされ、自分のやりたいことをよく考えて、それに合った大学を選ぶべきとの話がされました。

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